2009年5月4日

フランシス・ベーコン 「キリスト磔刑図のための3つの習作」

五月ですね。

五月病かもしれないですが、何だかしんどいです。


あー、しんど。


なんだかんだと忙しく、更新が滞りぎみです。
落ち着いたらもうちょっと頻繁に更新したいんですけどね。


今月からニューヨークのメトロポリタン美術館でフランシス・ベーコン(1909-1992)の展覧会が始まるそうですよ。

ベーコンはアイルランド出身の画家です。スタイルはシュールリアリズムですかね。

彼の絵画の特徴といえば、独特の残酷さとエグさ、そしてにじみ出るような狂気。

感性にグイグイ訴えかけてくる作風なので、説明するより見たほうが早いかも知れません。












キリスト磔刑図のための3つの習作 1962


やー、病んでるー。

人体はグロテスクにゆがめられ、肉塊と化しております。
皮膚や四肢が取り去られ、骨や内蔵の一部が覗いている、肉の塊。
赤みはあるのに、血が滴っているような生生しさがないのが、学校の理科室にある人体標本を思い出させますね。こうなるともう人間というより、屠殺場にぶら下がっている精肉ですな。


右の人体(というか肉)はイタリアン・ゴシックの巨匠チマブーエ(1240-1302)のキリストの磔刑をモチーフにしているそうです。


















キリストの磔刑 1987-88 


ベーコンの指しているのは1272-74の別の作品ですが、イメージが見つからないのでこれで代用。


チマブーエの絵を「芋虫が十字架を這い降りているよう」だと考えたというベーコン。
その感覚を表現したかったんだとインタビューで語っています。


うん、まあ、独特な感覚ですなあ。


ベーコンは磔刑のモチーフを多用しましたが、彼自身はクリスチャンではなく、自分のアートでは磔刑は宗教的な意味合いを持たないと宣言していました。 

彼は無宗教者として磔刑を「人間の行動」として捉えていたといいますが、この死骸のような肉と十字架のイメージは、動物をいけにえとして屠り捧げる儀式を彷彿とさせます。



ああ、グロきも素敵(ほめ言葉)。



ベーコンはゲイだったというのでも有名です。恋人のポートレイトを描いたりなんかもしてるし。

そのうち映画でもできるんじゃないかしら。


文字通り内臓からゾクゾクする絵が盛りだくさんなので、5月病も吹き飛びますね!



ニューヨークに行く予定のある方はぜひ!
ない方もGoogleイメージでクグってみるときっと楽しいですよ!(病んだ笑顔)






あ、今回エロ無し!
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