生理中っていうのは妙に頭だけ冴えて困る。
今回は生理用品について書こうかなと思い立った。
私はティーンの頃からずっとタンポン派です。
ナプキンは寝るとき以外は基本的に使わない、何故ってかぶれるから。
常に湿ったオムツをつけてるようなもんだから、どうしてもムレて痒くなってしまうし、場所が場所だけに掻き毟ることも出来やしねえ(掻いたら掻いたで指が血だらけになるしね)。
タンポンだと、まあちょっと漏れるのは仕方ないとしても、あの痒みと濡れオムツ感から開放される。
当然のごとくドイツでもタンポンを探したのだけど、指で入れるタイプのものが圧倒的に多い。
アプリケーター付きのもあるのだろうけど、ほとんど見当たらない。
今まで指で入れるタイプの物を使ったことが無かったんだけど、この間駅の売店でタンポンを買ったら、よく見なかったため箱を開けたらアプリケーター無しだった。
瞬ドキッとするも、これも何か機会だと思って使ってみると、かなり奥の方まで押し込まなくてはいけない事に気づいた。
位置が浅すぎると違和感がすごく、とても居られたものじゃないので、ぐいぐい遠慮なく押し込む。
指を突っ込んでタンポンを押していると、ちょっと右に曲がってるとか、後ろ側に押した方が進むとかそういうことがわかってくる。うーん、自分再発見。
そんな事を考えていたら、こんなものを見つけました。
コスタリカ出身のアーティスト、プリシラ・モンへの作品で「孤立と抑制の部屋」
"Room for Isolation and Restraint," Priscilla Monge (2000)
コピーライトの関係で写真が掲載できないんで、気になる人は
英語のタイトルで見てみて。
2007年にブルックリン美術館でやっていた「グローバル・フェミニズム」で展示されていたインスタレーションだそうです。
木で出来た小さい正方形の部屋の中に生理用ナプキンが張り巡らせてある。
ドアの外に箱が靴カバーの入った箱が置いてあって、「中に入る前に靴カバーを着けて下さい」とサインがある。
中に入って最初に気づくのが、むせ返るようなナプキンの匂い。
確かに生理用品にはよく化粧用のパウダーみたいな匂いがつけてある。経血のにおいをカバーするためだと思うけど。
しかしながら、壁を埋め尽くすナプキンから発散されるこの香料はすごい、本当に息ができない。
真っ白の部屋は病院の無菌室を連想させるけど、この息のつまる小ささと、ドアにつけてある覗き窓には監獄のイメージもある。多分箱の大きさは2m四方くらいじゃないかな。中には裸電球が一つ付いてる。
辞書を引いてみると、タイトルのIsolation には孤立のほかに隔離、Restraintには拘束とか自制っていう意味もある(元々はスペイン語のタイトル)から、そのことも間違いなく計算済みなんだろうと思う。
生理があるためだけではないけど、女性は歴史的に色々な意味で社会から隔離されてきたし、行動も制限されてきた。
ナプキンの発明は女性を解放した!とはよく言われるけど、このクラクラする匂いを嗅いでしまうと、本当の所はどうなんだろうと思っちゃう。
生理や女の性に対する意識って、実はそう変わっていないのかもしれない。
ナプキンで隔離された部屋で、物理的に息苦しくさせるというのは実にクレバーだと思う。
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