2008年10月22日

ディエゴ・リベラ

ぶらっと立ち寄った本屋にディエゴ・リベラ (Diego Rivera, 1886-1957) の画集が置いてあった。

リベラと言えば、西洋美術史の教科書に載る数少ない中南米出身の画家で、20世紀メキシコを代表する壁画家なわけですが、わたくしにはどうも画家フリーダ・カーロの夫というイメージが強くて、あんまり真剣に絵を見たことがなかったのです。

リベラとカーロの話は何度か映画になったくらい有名ですが、リベラの派手な女性関係もまた注目すべき点ですな。

2人の愛人に一年違いで一人づつ子供を産ませ、最初の妻との間にも2人の娘をもうけるが離婚。翌年、二十歳年下のカーロと42歳で再婚するも、もちろん不倫三昧。さらにはカーロの妹とも関係を持ってリアル姉妹丼。「一夫一婦制に向いていない」と医者から言われたことをいいことに(一体どうしたっていうんだね、ドクター?)、「セックスだけだった・・・握手みたいなものだよ、他には何もない」と自分の女性関係を男らしすぎる勢いで正当化していたという、デンジャー!デンジャー!近づくと孕ませられるわよ!!という類の実写版サノバビッチであるリベラですが、絵を見る価値は大いにあると思う。

うーん、と唸るくらい上手い。これは売れるわ。











「裸婦の背中」
Back of a seated Nude, 1926 Red chalk and charcoal, San Francisco Museum of Modern Art












「マドリッドの花売り」
Madrid Flower Vendor, 1949, Oil on canvas, Madrid













「画家のアトリエ」
The Pinter's Studio, 1954, Oil on canvas, Mexico City


壁画もよく書き込まれていて、力がある。











「汎米の調和」
Pan-American Unity, Panel 4, 1940, Fresco, San Fransisco



構成が凄い。人物を絵の表面に重ねるように描くのは、ジョットのアレーナ・チャペル壁画(スクロヴェーニ礼拝堂)を思い出させる。機械のパーツはフェルナンド・レジャーかな。トーマス・ハート・ベンソンを意識しているようなスタイルもある。こんな絵を描かれたら、いくら見た目がアレでも感心せざるを得ない。

いかにせよタンゴはひとりじゃ踊れないので、リベラはそれくらいモテたとも言えるわけです。一般人が必死にモテ指南の本を読み漁ってる間に、どっかの天才は今日もナオンをゲットしているわけだ。まったくやりきれない。
 
カーロとリベラ 













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